神奈川県 N・Mさん 主訴:メニエール病

周気堂治療室で、初めて治療を受けたのは四十歳を目前に控えた、三十数年も前の事です。
昔話のようですが、医療機関を受診した場合、身体を部分的に分けて、診断、治療するという対応は、三十数年経過した現在でも、あまり変化がないように思えます。
そのような治療では、病気は治っても健康になることは望めないと、身をもって感じていました。そんな折、周気堂治療室を受診する幸運に恵まれ、健康状態は劇的に好転しました。初診を受ける前までの経過と、その後を受療体験の一例として綴ってみました。
何れの医療機関でも改善されない、一年中、風邪を引いているような熱っぽさ、倦怠感等、体調不良が続く日々の中で更に、耳が塞がれるような症状と目まいが始まり、地元では評判の良い耳鼻科の医院を受診しました。
機械を使用した検査の、データの結果、「耳管が狭窄しているので厳密には違いますが、健康保険請求の都合上、メニエール病としておきます。」と、安易に病名をつけられました。いわれた通り毎日通院し、耳から鼻へ管で風を送る治療を続けると、序々に症状は軽減され往復一時間程の距離を歩いて通えるようになった、相乗効果もあり、健康状態は改善されてきました。けれどしばらく通院しないと、また元に戻ってしまいます。結局は「対症療法」でしかありません。そのうちに、患者が、それぞれ同じような質問をしているのに気がつきました。
「いつまで通えばいいですか」それに対して医師の答えは、誰にも同じで「ずっと通ってください」つまり、治らないということです。一生耳鼻科に通う人生になると、いわれたようなものです。治らない患者と、新患で患者は増える一方です。不本意であっても取り敢えず、通院を続けていると上腕に痛みともしびれともつかない症状が表れました。お話しすると、「腕の痛みは整形外科に行くのですよ」そんなことも分からないのかと、本当にびっくりされた様子で嘲笑されました。耳鼻科で、腕の痛みを訴える非常識の患者というわけです。この医院で治療を続ける訳にはいかないと思っても、次の展望がなく途方に暮れていると幸運にも人づてに、周気堂治療室の話を聞き、さっそく受診しました。診断は機械を使うような事はなく、耳管の狭窄は頭蓋骨が耳管を押し潰しているのが原因とすぐに判り、頭蓋骨を正常の位置に戻せば狭窄は治ると説明され目から鱗という感じでした。「今、治った状態にしてみます」と先生がいわれると、閉ざされた部屋に閉じ込められていたのだが、突然四方の窓が全開され、爽やかな風が吹き抜け、レースのカーテンが揺れている情景が自然に浮かんできたのを、今でもはっきり覚えています。更に、何よりも驚愕したのは、「お父さんのことで三年前、何かありませんでしたか」と聞かれたことです。結婚後も、両親と同居の生活でしたが、ご指摘の通り父は三年前膵臓癌で他界し、その後母の精神状態も不安定になり感情の起伏も激しく、何かとストレスの多い生活を送っていました。驚いていると、「あなたの身体がいっているのですよ」との事で、またびっくりしました。頭蓋骨が耳管を押し潰している、真の原因は父が他界したことに関係していたようです。そして、整形外科に行くように言われた上腕のしびれがどうしても耳の異常と関連しているとしか思えず、お聞きすると「よく、気がつきましたね」といわれ、自分の感覚がひとりよがりでなかったことに安堵しました。
 自分の身体はそんなに弱いはずはないと鼓舞しても、不調から抜け出せず。端々しい感性で生き生き生活できる、健康な身体になりたい。当時の切実な願いでした。
長い間、信頼できる治療を求めて彷徨っていた心が落ち着き、治る治療を受けられるようになったのが、何よりも嬉しいことでした。往路には、思いつめてきた道を、元気になれると確信し、帰路には不思議な幸福感に包まれました。初診時の僅かな時間の身体の変化です。
他の医療機関では考えられないことです。そして、耳と上腕の異常が治ったのはもちろんの事、健康状態は一変し、生活も一変しました。四十代に入ると、独身時代に勤務していた職場に十五年振りに、パートタイマーで復帰することができ、里山歩き等自然の中で過ごせる時間も増えました。
丁度五十歳になると、母の介護が必要になり、退職して十年間自宅介護に専念し、本人の希望通り、自宅で看取ることができました。共倒れにならずに済んだのも、治療に通えていたお蔭です。そして、七十歳を超えた現在、友人たちの話では病院に行くと、決まり文句で「お年ですから」と言われるそうです。皆、一様に同じことを言われるので、年々、心身共に衰えるのは当たり前のことと安心してしまっているようです。そんななかで、「私は去年より元気になっています」と1人違うことを言って、仲間からひんしゅくを買っています。願わくば、来年も再来年も同じ台詞をいいたいものだと思っています。
改めて振り返ってみますと、他の医療機関をもって、変える事のできない、唯一無二の周気堂治療室で受療の機会に恵まれた幸運は計り知れません。
これから過ごす七十代、迎える八十代、老化の不安を考えるのではなく、健康に過ごせる日常に感謝を忘れず未知の世界を楽しみにしながら日々生活したいと思います。
お問い合わせはこちら
pagetop
045-531-2716 045-595-9994